その他の活動
子ども、保護者、保育事業者、地域の個人と社会の幸せのために
あらゆる保育施設の質向上に関わる学術研究から生み出される知見を公益に活かしていただく試み
企業等との共同に基づく協創探究
2023年度
ブックレット「循環と保育 持続可能な園の暮らしに向けて」
CEDEPの園庭調査研究グループは、2015年から継続して実施してきた全国の園庭利用の調査から生まれた問いと知見の集積を多くの皆様と共有したいとの思いで、その活動の成果をブックレットにまとめました。
ブックレットより引用ブックレットの中には知見と共に、振り返りのポイントも示したり、持続可能性等の概念やプロセスも私たちなり に示しています。ぜひこのブックレットを園内研修等で御活用いただけましたら有難く存じます。本調査の間にコロナ禍が生じたことでコロナ禍が戸外の保育に与えた影響のブックレットも同時に刊行いたしました。両ブックレットが、子ども、保育者、園や地域の持続可能な暮らしとwell-beingに資するならば幸いです。
ブックレット「コロナ後の保育環境の視点~保育現場の環境活用の実態と保育者の意識~」
CEDEPの園庭調査研究グループは、コロナ禍を経て、保育における戸外の活動や園庭などの「環境」について、どのような変化があったのかを2021年7月に437園のご協力を得て調査し、その成果をブックレットにまとめました。
ブックレットより引用本ブックレットでは、OECD(2021)のリスクへの意識や対処の枠組みを保育の場に適用することで、園の皆さまの声から何に葛藤や矛盾を感じ、どのように対応していかれたかをまとめています。コロナ禍での変化ということだけではなく、改めて、保育における戸外環境の価値や保育者間での共有の意義を考えたり、リスクを捉える枠組みという視点からこれからの保育を見つめていくきっかけにもしていただけたら幸いです。
2022年度
幼保小連携接続についてのリーフレット「幼保小の架け橋のために」
協力研究者の秋田喜代美先生、天野美和子先生が関わっておられる研究プロジェクト(JSPS科学研究費基盤研究(C)課題番号 19K02664「地方自治体主催の研修への参加が保幼小連携パートナーシップ形成に及ぼす影響」)の成果として、幼保小連携接続についてのリーフレット「幼保小の架け橋のために」が作成されました。
リーフレットより引用2022年春、文部科学省で架け橋プログラムが進められ、全国的に幼保小の接続期のカリキュラムや幼保小の連携体制の推進が図られています。このリーフレットでは、筆者らが5年間に収集したエビデンスに基づいて、幼保小の教育の質向上のための幼児教育推進体制を構築し、連携接続を進めるための知恵と工夫を紹介しています。ここで紹介する知恵と工夫は、幼保小連携接続に関わる多様な立場の方々(保育者、小学校教師、自治体の連携接続の担当者、移行期の子どもの保護者、研修講師)から得られたものです。
このリーフレットが関係者の皆様の幼保小連携接続や教育の質向上の一助となれば幸いです。
2021年度
イラストBOOK たのしい保育 子どもの「じんけん」まるわかり
発達保育実践政策学センター(CEDEP)准教授 野澤 祥子先生が編著者のひとりとして執筆された「子どもの権利」についての書籍が刊行されました。
東京大学教員の著作を著者自らが語る広場 ”UTokyo BiblioPlaza”(Webサイト)では、著者である野澤 祥子准教授による解説文とともに紹介されています。ぜひご覧ください。”UTokyo BiblioPlaza”
UTokyo BiblioPlaza 野澤 祥子准教授による紹介文より一部を引用本書は、子どもの権利について、保育実践者や保育に関心のある方向けに執筆された本です。子どもの権利の基本的な考え方とともに、保育現場での事例を紹介し、実践に即して子どもの権利について考える契機となることを企図したものです。「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」は、1989年の第44回国連総会において採択され、1990年に発効した、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約です。日本は1994年に批准しています。それから30年近くを経ようとしている2023年4月からは、子どもの権利の基本原則を理念とする「こども基本法」が施行されます。子どもの権利について改めて考えていこうとする機運が高まっているのではないでしょうか。
ICT活用による保育内容の充実と園内外での共有に関する調査研究への協力
文部科学省の調査研究事業において、ICT 活用による保育内容の充実と園内外での共有に関する調査研究(委託先 学校法人七松学園)に発達保育実践政策学センターが協力しました。
協力研究員の天野美和子先生、CEDEPの高橋翠先生が執筆しています。
文部科学省のウェブサイトから以下の資料・報告書をご覧になれます。
文部科学省 令和3年度 幼児教育の教育課題に対応した指導方法等充実調査研究「幼稚園における指導の在り方等に関する調査研究」 MEXT
- 幼児教育におけるICTの活用(リーフレット)(PDF 2688KB)
- 幼児の体験を豊かにするICT実践事例集(リーフレット)(PDF 4907KB)
- ICT活用による保育内容の充実と園内外での共有に関する調査研究(PDF 3422KB)
Early Years Toolbox から3つのアプリを日本語訳
CEDEPは、オーストラリア、ウーロンゴン大学で開発された、子どもの実行機能、自己制御、言語能力、数的能力などの発達をゲーム感覚で楽しく測定するアプリシリーズ Early Years Toolbox のうち幼児の実行機能を測定する3つのアプリを日本語訳しました。
同アプリの「実施者用トレーニング資料」も日本語訳しています。どうぞあわせてご利用ください。
実行機能(executive function)とはなんですか?
ひと言でいえば、「心の制御機能」です。厳密には、目標に向かって自らの思考や行動を制御する認知機能を指します。
実行機能には、必要な情報を常に最新のものにして記憶しておく働き、不適切な情報や衝動的にしてしまいやすい反応を抑制する働き、思考や反応を柔軟に切り替える働きなどがあります。乳児期にその発達的萌芽がみられ、幼児期に著しく発達することが知られています。
実行機能は、子どもたちの日常の行動、学業、他者理解と関連することから、彼らの社会生活を根本から支える重要な心理機能として注目されています。
Early Years Toolboxとは?
オーストラリア、ウーロンゴン大学のSteven Howard教授と、イギリス、オックスフォード大学のEdward Melhuish教授が中心となり開発したアプリシリーズです。絵本作家のSimon Chadwick氏がイラストを手がけ、子どもが楽しみながら取り組め、かつ、誰でも簡単に子どもの認知能力や非認知能力を測定できるものとなっています。
アプリを使った調査は、オーストラリアのほか南アフリカ、イギリス、アメリカ、カナダ、韓国などで少なくとも9,000名以上の子どもを対象に実施されています。
Early Years Toolbox (EYT) のウェブサイトを訪れてみてください。アプリを使った研究成果など詳細をご覧になれます。 Go! Early Years Toolbox (EYT)
CEDEPが日本語訳した3つのアプリ
EYTのアプリはいずれも iTunes Apple Storeで市販されています。CEDEPが日本語訳をした3つのアプリでは、言語選択で「日本語」を選べるようになりました(2021年現在)。
※そのほかのEYTアプリは日本語を選択できません
※iPadのみに対応しています
[アプリ日本語翻訳メンバー]
秋田 喜代美(学習院大学·前CEDEPセンター長)/ 鈴木 正敏(兵庫教育大学)/ 鈴木 智子(播磨看護専門学校)/ 淀川 裕美(千葉大学·元CEDEP特任准教授)
[実施者用トレーニング資料日本語訳メンバー]
柳岡 開地(CEDEP特任研究員)/ 西田 季里(CEDEP特任助教)
Mr. Ant(アリさんとあそぼう)
ワーキングメモリ(情報を保持し、必要な時に適切にその情報を活性化させる機能)を測定するアプリです。
Fish & Shark(さかなかな?サメかな?)
抑制制御(不適切な情報や衝動的にしてしまいやすい反応を抑制する機能)を測定するアプリです。
Rabbits & Boats(うさぎとボート)
認知的柔軟性(思考や反応を柔軟に切り替える機能)を測定するアプリです。
実行機能測定アプリを使った研究論文
CEDEP学外協力研究者の柳岡開地先生(大阪教育大学)の論文です。
幼児の満足遅延と実行機能(実行機能測定アプリで測定)との関連が検討されています。
Kaichi Yanaoka, Kiri Nishida, Toshihiko Endo. 2023.
Asymmetric impacts of ingroup behaviors on delay of gratification in preschoolers.
Cognitive Development, 68, 101381.
DOI 10.1016/j.cogdev.2023.101381
アプリを使って測定調査を実施したい方へ
- アプリは市販されており、どなたでも自由に入手・実施できます。
- EYTサイトで公開されている実施者トレーニング資料(EYT実施者トレーニングスライド資料、EYT実施者チェックリスト)を日本語訳しました。実施の前にご参照いただきお役立てください。
EYT実施者トレーニングスライド資料
1 ファイル 3.38 MBEYT実施者チェックリスト
1 ファイル 63.44 KB - 「日本語」設定で測定調査を実施し結果を公表される際は、CEDEP(東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター)をクレジットに入れていただけますと幸いです。
- また、日本の幼児のビッグデータを集積するため、可能であれば測定データの共有にご協力をお願いいたします。
[アプリ・アプリのトレーニング資料・測定データについてのお問合わせ]
西田 季里(同センター特任助教)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
E-mail: kiri_nishida[@]p.u-tokyo.ac.jp * [@]は@に置き換えてご利用ください
2019年度
株式会社ポプラ社と発達保育実践政策学センターが共同研究契約を締結
(左から)東京大学教育学研究科CEDEP:野澤祥子、東京大学教育学研究科長:秋田喜代美、株式会社ポプラ社代表取締役社長:千葉均、東京大学教育学研究科CEDEPセンター長:遠藤利彦
この度、株式会社ポプラ社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:千葉均、以下ポプラ社)と東京大学大学院教育学研究科附属 発達保育実践政策学センター(所在:東京都文京区、センター長:遠藤利彦、以下東京大学CEDEP)は、デジタルメディアの急速な普及が進み‘本離れ’が叫ばれる中、子どもを取り巻く読書環境の改善を目的とし、‘本’の価値を科学的なアプローチで明らかにする「子どもと絵本・本に関する研究」プロジェクトを共同で開始します。
本研究では、
- 子どもの発育発達プロセスにおける絵本・本の固有性
- 認知能力・非認知能力の発達への寄与の可能性
- 保育園・幼稚園での絵本をとりまく環境 等
外部のニュースサイトで本プレスリリースが取り上げられました。
2018年度
日本生命保険相互会社と発達保育実践政策学センターが共同研究契約を締結
当センターは「あらゆる学問は保育につながる」を理念にし、子ども、保護者、保育事業者、地域の個人と社会の幸せのためにあらゆる保育施設の質向上に関わる学術研究を行い、そこで生み出される知見に基づき公益のために使用していただくことを目的として生まれた、国立大学で初めての保育の学術研究センターです。そこでは産官学との協働に基づく協創探究を目指しています。
このたび、日本生命と共に企業主導型保育をよりよく利用し、そこに通う子どもたちの園の質の保証と向上について協創探究することは、待機児童解消という社会的な課題に対して取組むと同時に、質の高い保育をすべての子どもたちにという理念において一致すると考え、協働させていただくこととなりました。
企業主導型保育制度はまだ始まったばかりであり新設園も多くあります。その制度固有の可能性や課題について共に探究し、質の高い企業主導型保育で全国で尽力しておられる園の好事例を紹介し、また質向上のために取組める評価方法等について、日本生命や保育事業者と共に考えてまいります。
保育の質向上や監査・第三者評価制度の必要性について、その在り方の検討を通して企業主導型保育の良さと可能性を一緒に考え、子どもやご家庭に貢献したいと考えています。
詳細につきましては、日本生命保険相互会社ニュースリリースをご覧ください。
メディア掲載情報
《日本経済新聞》2019年3月15日 日本生命、グローバルキッズと企業主導型保育所の活性化で業務提携
《毎日新聞》2019年3月14日 日本生命が保育仲介事業 「企業主導型」のミスマッチ解消図る
ナチュラルスマイルジャパン株式会社、パナソニック株式会社と教育学研究科が「保育・教育・研究交流連携事業に関する協定」を締結
まちの保育園・こども園(ナチュラルスマイルジャパン株式会社)、パナソニック株式会社と東京大学大学院教育学研究科は、「保育・教育・研究交流連携事業に関する協定」を締結しました。
詳細につきましては、教育学研究科ウェブサイトのトピックスをご覧ください。
2017年度
「まちの保育園・こども園」と東京大学大学院教育学研究科が「保育・教育・研究交流連携事業に関する協定」を締結
2018年2月4日(日)、「まちの保育園・こども園」と東京大学大学院教育学研究科は、「保育・教育・研究交流連携事業に関する協定」を締結しました。
詳細につきましては、教育学研究科ウェブサイトのトピックスをご覧ください。
2016年度
保育所保育指針改定に関する提言
2016年5月10日に、厚生労働省社会保障審議会児童部会保育専門委員会(第6回)にて、 保育所保育指針改定に関する提言を行いました。
保育所保育指針の章の構成・内容、及び指針各章内の内容(養護・アタッチメント、食、睡眠、園長の資格要件に関連する箇所)について、CEDEPで昨年度末に実施した認可保育所対象の調査研究結果および学術的知見等に基づき、ご報告致しました。
詳細は厚生労働省のウェブサイトでご覧になれます。社会保障審議会児童部会保育専門委員会(第6回)資料
働く親のための「子育て親塾」
このプログラムは、株式会社日本共同システム(NKS)の事業として、発達保育実践政策学センターの教員及び研究協力者が講師となり作成された映像コンテンツを用いて、NKSがプログラム作成・講座提供を行うものです。
詳細については、株式会社NKS能力開発センターのウェブサイトをご覧ください。