Cedep 発達保育実践政策学センター

【論文掲載情報】乳幼児期のデジタルメディアの使用時間と睡眠時間や発達との関連を示した論文が発達心理学研究に掲載

CEDEPの大久保圭介特任助教らが、CEDEP×Benesse教育総合研究所「乳幼児の生活と育ち」研究プロジェクトのデータを分析して、乳幼児期のデジタルメディアの使用時間と睡眠時間や発達との関連を示した論文が、発達心理学研究に掲載されました。

本研究では、子どもが0歳から3歳までの各時点のテレビ・DVDおよびスマートフォンの使用時間と、子どもが4歳時点の就寝時刻、起床時刻、それから、子どもの内在化・外在化問題の指標の一つであるSDQ(Strength and Difficulty Questionnaire)との関連を検討しました。基本的には、使用時間が長いと4歳時点の就寝時刻と起床時刻も遅くなり、内在化・外在化問題の得点も高くなることが示されています。特に睡眠指標に対しては、0-1歳からの、特にスマートフォンの使用時間の長さが関連していることが示唆されました。子どもの睡眠に対して、スマートフォンやタブレットなどのスクリーン端末の使用が直接的に影響していることは、いくつかの先行研究でも報告されています。本研究はそれらの結果を支持するものであり、なおかつ縦断的な使用時間の変化との関連を示した点で意義があると言えます。

子どもの内在化・外在化問題に関しては、デジタルメディアを使用することが、子どもの内在化・外在化問題につながるのか、反対に、子どもの内在化・外在化問題があるからデジタルメディアを使用するのか(例えば、落ち着くことが少なく、それをなだめるためにスマートフォンを使うことが増えるなど)、慎重に議論していく必要があります。

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大久保圭介・遠藤利彦・野澤祥子 (2023)

乳幼児期の子どものデジタルメディア使用時間と睡眠,および情緒や行動の問題の縦断的関連

発達心理学研究, 34, 230-243

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