【論文掲載】「粘り強い行動の観察が乳児の注意に与える影響」に関する論文がCognitive Development 誌に出版
CEDEPの新屋裕太特任助教が、江戸川大学の石橋美香子講師(Cedep協力研究者)と進めてきた「他者の粘り強い行動の観察が乳児の注意に与える影響」を調べた論文が認知発達に関する国際学術誌 Cognitive Development 誌に出版されました。
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Shinya, Y. & Ishibashi, M.
Observing effortful adults enhances not perseverative but sustained attention in infants aged 12 months
Cognitive Development, 64, 101255(2022)
本研究は、生後12ヶ月の乳児が他者の粘り強い行動を観察すると、別の文脈でも乳児自身の注意の持続性が高まることを明らかにしました。アイトラッカー版のA-not-B error課題(ピアジェ, 1954)を用いることで、乳児の持続的な注意は高まる一方で、固執的な注意(前の目標を見続けてしまう、など)は増加しないことも示しています。
本研究の結果から、乳児期から他者を観察する経験の蓄積が、注意をコントロールする能力の発達や、粘り強さ(persistence)といった能力の形成に寄与していることが示唆されます。