プロジェクトの概要
この度、東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(CEDEP)では、公益財団法人 発達科学研究教育センター(CODER)の受託を受け、KIDS乳幼児発達スケール(KIDS)の改訂作業を行うことになりました。
現行のKIDSは、研究機関はもちろん、発達支援センターなどでも子どもの支援のため使用されているものですが、すでに開発されてから35年ちかく経過しています。今回CEDEPでは、理論的・実証的根拠に基づき、より現代の時代背景にあった検査を作成するため、検査の領域・項目精査から精緻に検討を重ね、さまざまな領域の専門家のご意見をいただき、項目に反映しながら、精緻に改訂作業を進めています。
本調査について
この調査は、全国47都道府県の乳幼児の運動・言語・社会性・生活領域の発達についてのデータを得ることを目的とするもので、全国で0歳から6歳のお子さんをもつ保護者の方20,000人以上の方に調査をご案内しております。可能な限りその時期に特有の発達の様相を捉えることができるものにするのと同時に、できるだけ多くの方にとってわかりやすく、回答しやすい検査にするため、本改訂作業の中核をなす非常に重要な調査となっております。なにとぞご協力のほど、よろしくお願いいたします。
調査の項目例
この調査では、次のような項目について、お子さんができるか・できないかをお尋ねします。この発達スケールは幅広い年齢の子どもを対象としているものなので、回答者のお子さんにとって、まだ馴染みのない項目も含まれています。そのため、できない・あてはまらない項目にチェックがつくことが普通です。回答者の皆様には、お子さんの最近の様子について、できるだけ正確にご回答いただけますと幸いです。
粗大運動 | ・手を使って腹這いで前に進むことができる ・その場で、両足で2、3回くり返し跳び上がれる ・鉄棒での前回りができる |
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微細運動 | ・親指と人差し指の指先を使って、小さな物をつまみ上げることができる ・折り紙をきれいに2回半分に折ることができる(折り目もつけられること) ・人物画を描く際に、服の柄や髪飾りなどの細部や背景が含まれている |
受容言語 | ・「こっちへおいで」と言われると近寄る ・絵本を見ながら「この中で座るものはどれ?」「着るものはどれ?」などと聞かれて、椅子や靴など、正しい絵を指させる ・右手はどっち?」といった、左右を尋ねる質問に対して、正しく答えられる |
表出言語 | ・「あむあむ」「マンマンマン…」のような、音のつながった喃語を発する ・「いや」「ちょうだい」「ない」など、自身の要求を言葉で表現する ・「大きいの反対は?」や「重いの反対は?」などと聞かれて、反対の意味の形容詞を答えることができる |
社会性 | ・保護者が自分から離れていくと後追いをする ・人前で踊ったり、歌ったりするよううながすと、照れたり、張り切ったりする ・他の子どもに、ゲームや遊びのルールを説明しようとする |
生活 | ・豆腐など、舌でつぶせる固さの食べ物を口の中で潰し、飲み込むことができる ・夜のオムツを外して寝ている(おねしょがあって良い) ・自分で、入浴やシャワーをして、その後に体を拭くことができる |
本調査の方法・内容
なお、本調査は東京大学の倫理審査委員会の承認を受けて実施するものです。